ありがとうモロゾフピカチュウ

皆さま、人生とポケモンの交わりの濃淡はいかほどのものでしょうか。

 

ゲームをやり込みアニメを見てカードを集めて実際に大会も出て……というポケモンマスター諸氏も多くいる中、私の家はゲーム禁止ファミリーでして。小5の頃にようやく初めて買ってもらえたゲーム機はゲームキューブでした。

おかげで、みんなが学校でゲームボーイの話をしようがスーファミや64の話をしようが、何もついて行けない寂しさを感じたこともあります。

そんな私でもギリ許されたのがアニメ視聴。

3歳くらいの頃となりのトトロに出会ったがために、録画したビデオテープを擦り切るほど繰り返し見て、背表紙が崩壊するほどアニメ絵本を読み込んでいました。既にオタクになる素養が垣間見えている有様です。

そんな私にはぶっ刺さったわけですね、ポケモンが。

さらにはその頃、ぬいぐるみに囲まれて寝てまして。某ネズミーランドのネズミカップルを筆頭に、ねだって買ってもらった大中小トトロ、その他こまごまとしたぬいたちを、寝る前に目をこすりながら布団の周りに並べて、おやすみなさいと言って、そうしてすやすやと眠るこだわりの強さでした。

今、いけあのさめさんとシャチとイルカとカメとぴよりんとカエールに囲まれて寝ているのも当然なレベルの執着です。三つ子の魂にごりっごりに刻まれている。

 

そんなぬいぐるみ大好きな私が、ポケモンにハマったら。何を欲しがるのかは自明の理です。

おかーーーさぁーーーん!!!!!ピカチュウほしーーー!!!!!!!!

 

その願望が誕生日かクリスマスか何かのご褒美か、なにをきっかけに叶えてもらったかはすっかり思い出せなくなりましたが、念願のピカチュウをもらった私は大変に大はしゃぎの大喜び。

どこに行こうが何をしようが、ずんぐりむっくりした、くびれもない、まんまるぽよぽよなピカチュウを大事に胸元に抱えて連れて行ってたんですね。

祖父母の家までの長いドライブにも、近所のショッピングモールにお出かけするときにも、家族で行った遠くへの旅行にも。ピカチュウは常に一緒にいました。

サトシに憧れてたんだろうか。それともイマジナリーフレンドの類だったんだろうか。

 

それでも形あるものはいつか壊れるもので、それだけ連れまわせばだんだん薄汚れてしまい、耳がちぎれかけ、当初のまばゆい黄色の体はすっかりくすんでしまいまして。

耳は母に泣きついて縫い付けてもらいましたが、汚れはどうしようもなく……母に説得され、泣く泣くそのピカチュウとはお別れすることに。ペットロスではないけどそれ相応にわんわん泣いてめそめそ悲しんでましたね。書きながら思い出し泣きしかけている。

 

そして時は流れに流れ。

その間にもポケモンは途切れることなく展開を続け、サトシはずっと旅をして、ピカチュウのぬいぐるみも絶え間なく発売されていました。

けど全部なんか…こう…フォルムが初代の、私の愛したピカチュウではなくて、欲しいと強く思うことは無く。あれはあれで可愛いんですけどね。

時折ツイートが流れてくる、私の愛したピカチュウの別個体と暮らしている方々の写真を見るとやはり違いは明らかで。

たぶんずんぐりむっくりしたフォルムが好きなんでしょうね、おかげでパモとホゲータが刺さってぬいを買いました。愛いです。

ともあれ、もう親にゲームを禁止される年齢でもないのに手を出さなかったり、夜間絶えず電池食われるのもな……と言い訳をしてポケスリをDLしなかったりして、幼かったあの頃ほど私の人生はポケモンと交わることは無いんだろうな、と少し寂しさを感じていたところ。

フォロワーに複数名ポケモン好きがいるので、新商品の情報などは割とTLまで流れてきます。

バレンタイン商品のオンライン販売のお知らせも、例に漏れず流れてきたわけです。

へーポケモンまじでずっと新商品出してるなー、しかもモロゾフとコラボかー、と特に何も考えず、画像を表示してみたら。

 

ぬいぐるみ付チョコ。

かわいくおめかししてるけどどう考えても、どう見ても、ずんぐりむっくりした、くびれのない、まんまるぽよぽよなピカチュウのぬいが付いてくる、チョコ。

 

発売いつ!?18日の朝10時から!?今何時!?!?11時!!!!!!!!!!!

慌ててポケセンオンラインを開いても、まあそりゃ完売してるわけで。んあぁぁ再販頼む……もしくは昔のぬい復刻……としょげしょげしながらページを閉じたんです。

閉じたんですよ。

数時間後。

フォロワー「モロピカの在庫復活してる」

そのツイートを見た瞬間にポケセン開いて買いに行ってました。

クリスマスのパモさん買ったときに会員登録しておいて本当に良かった。間に合いました。買えた事実にちょっと泣いた。

 

それから、冷静になってぬいのサイズを見て、メジャー出して「このくらいか…?」と確認したり、週末には店頭販売が始まったので、実際に手にした人たちの写真ツイートを見てなるほどこういうサイズ~~~かわいい~~~かわいい~~~~~!!!!!とにこにこしたりしながら、発送いつだろうな、うちに来るのいつ頃かな、とそわそわする日々。

ポケセンから「届けるよ~」と通知メールが来たときは即座に受取日を在宅勤務にして、会議も何も入らない時間帯を指定しました。万全。

 

待ちに待ったその日、インターホンが鳴って、印鑑片手にいつもより明るい声でヤマトの人にお礼を言って、箱に書いてあるほっそりしたピカチュウを見つつ綺麗にテープを剝がして。

開けたら、いるんですよ。

 

 

 

想像以上に可愛い。なにこの子。かわいい。かわいい!!!かわいい!!!!!

語彙を失いつつ、透明な箱も丁寧に開けて、ピカチュウに出てきてもらいまして。

机の上に立ってもらったんです。

 

昔よりちょっとかわいらしい顔になった、愛しのあの子が、そこにいました。

すっかりおめかしをしていても、首元からあんよまでふわんと丸い、慣れるまでうまく立てずに転がっちゃう、まんまるなピカチュウ。私のピカチュウ

いくらマイピカチュウとして様々なポーズ、表情、体型の子がいても、私のピカチュウはこの子。

しばらくぽろぽろ泣いて、幼いころと同じように胸元に抱えてました。ずいぶんちっちゃく感じるようになったなあ。25年だもんなあ。

 

そんな愛しのピカチュウを先住ポケの2匹に見守ってもらいつつ、日々を生きています。

 

ありがとうモロゾフピカチュウ。今度こそ、ずっと一緒にいます。

 

それはそれとして抱えてるハートがめちゃくちゃにコメダなので、初めてのお出かけはコメダの予定です。いちごのシロノワール食べようね、ピカチュウ